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ヤクルトの創始者で医学博士の代田稔が京都帝国大学(現在の京都大学)で医学の道を歩みだしたのは、1921年。その当時日本はまだ豊かとはいえず、衛生状態の悪さから感染症で命を落とす子供たちが数多くいました。そんな現実に胸を痛めていた医学生時代の代田は、病気にかかってから治療するのではなく、病気にかからないようにする「予防医学」を志し、微生物研究の道に入ります。
そこで乳酸菌が腸の中の悪い菌を抑えることを発見、これをさらに強化培養することに世界で初めて成功します。それが、今日「乳酸菌シロタ株」と呼ばれる学術名ラクトバチルスカゼイシロタ株という乳酸菌です。その後、代田は、生きて腸内に達し、有用な働きをする「乳酸菌シロタ株」を、一人でも多くの人々に摂取してもらうため、有志と共に安価でおいしい乳酸菌飲料として製品化します。そして1935年、乳酸菌飲料「ヤクルト」が誕生しました。世界の人々の健康を守りたい。代田稔の情熱と発想、あくなき探求心は、今も、脈々と受け継がれています。
